コラム

広告宣伝におけるブログの有効性

OCL起業家奮闘コラム

  1. インターネットを使った広告宣伝
  2. ブログはなぜSEOに有利なのか? その1:SEO/SEMとは?
  3. 検索エンジンについての知識  検索エンジンの種類
  4. スポンサーサイトとリスティング広告
  5. キーワード検索のメリット
  6. キーワード検索での成功事例
  7. 禁止規定(検索エンジンスパム)について

(2009年当時の記事です)

インターネットを使った広告宣伝

インターネットを使った広告宣伝活動にはさまざまな方法があります。

まず最初に思いつくのがホームページです。ホームページはインターネット上で個人(自社)を代行してくれる存在ですので、重要な位置を占めます。

ですが、このホームページはインターネットユーザーにアクセスしてもらうことではじめて広告宣伝効果が出てきます。そのために個人(自社)を広告宣伝するためにアクセスしてもらうための様々な方法があります。

例えば、

「検索エンジンキーワード広告(リスティング広告)」

「検索エンジン登録」

「バナー広告」

「アフィリエイト」

「メールマガジン」

などです。これらの広告宣伝の方法は日々新しいものが登場し、また消えていっているものも多くあります。

広告宣伝の中でのブログはさまざまな使い方がなされます。例えば、ブログから個人(自社)ホームページに誘導するための手段として活用している場合もあれば、ブログ自体が自社ホームページの代わりをしている場合もあります。

また、アフィリエイトやバナー広告は自分(自社)以外のブログやホームページを利用して、個人(自社)のホームページにアクセスを誘導したりするものです。

ブログはこのようにさまざまな形で利用されますが、ブログもホームページも目指すところはユーザーからのアクセスをいかに増やすかという点です。

ブログはなぜSEOに有利なのか? その1:SEO/SEMとは?

SEOとは

SEOとはSearch Engine Optimizationの略で直訳すると 「検索エンジン最適化」 となります。

SEOは1つの対策技術でその目的は「個人(自社)Webサイトを検索エンジンの検索結果の上位に掲載させる」というものです。

多くの検索エンジンは、ロボット(スパイダー・クローラーとも)呼ばれるプログラムが自動的にインターネット上のWebサイトを周回し、そのときに得た情 報でそのWebサイトの重要性を判断し、順位付けを行います。SEOはそれらのプログラムに対してホームページの狙いを的確に主張するための対策です。そ のため、多くのSEO技術は一般ユーザーの目には映りません。

SEMとは

SEMとはSearch Engine Marketingの略で、つまり 検索エンジンを上手く利用したマーケティング手法 の総称です。つまり、SEMはSEOを拡張した概念とも言えます。

一般的なSEMの手法としては、

【SEO】

検索エンジンでのWebサイトの表示順位を上げます。

【(有料)ディレクトリ登録/(有料)検索エンジン登録】

カテゴリサイトに登録するなどして、アクセスアップを狙います。また、(有料)ディレクトリに登録することを一種のSEOの手段として利用する場合もあります。

※ディレクトリに登録することで、ロボットを自社サイトに誘導するSEO目的でディレクトリ登録を行う場合があります。

【検索キーワード連動型広告】

検索エンジンの検索結果画面のスポンサー領域に有料で表示させる方法です。

リスティング広告、キーワード連動型広告、PPC広告、CPC広告とも呼ばれます。

図1.リスティング広告(赤丸の「スポンサー」と書いてある部分の囲みが広告)

ブログとSEO

ブログは、その仕組みがすでにある程度のSEO効果を期待できる作りになっています。

【titleタグ】や【h1タグ】など、検索エンジンのテキストマッチングに適したつくりになっている

ホームページは主に画像と文章で構成されており、タイトルやロゴ、メニューなど、見た目に分かりやすいようにレイアウトされて表示されています。

おかげで私たちはホームページが伝えようとしていることを的確に捉えることができるのですが、ホームページを構成しているHTMLソースでも同じように文 字にタイトル(titleタグ)、見出し1(h1タグ)、見出し2~6(h2~h6タグ)、リスト(ul,ol,liタグ)などといったようなタグをつけ ることで、内容の構成を検索エンジンに対して伝えることができます。

一昔前のホームページやホームページ作成ソフトは、この部分がいい加減だったために、ホームページの内容を正しく検索エンジンに伝えることができませんでした。

しかし、新しい技術であるブログはこの部分に対応しているため、規定に従って入力することで、記事の内容を的確に検索エンジンに対して伝えてくれます。

更新が頻繁なので、検索エンジンが頻繁に巡回しやすい

更新が頻繁に行われるページは検索エンジンのロボットも頻繁にその内容をチェックしに来るようになります。

ブログはホームページ作成ソフトで更新を行うより手軽に更新が行われる上に、関連するページを複数同時に更新するため、更新頻度が高くなりやすい特徴があります。

そのため、頻繁にブログの記事を更新すると、その更新内容がすばやく検索エンジンの検索結果に反映されるようになり、SEOの効果も高まります。

検索エンジンが解釈しにくいような、余計なつくりにはなっていない

古いホームページ作成ソフトで特にいえることですが、見た目にはきれいに整理されたページでも、それを構成しているHTMLソースは必要以上に複雑な場合が多くあります。

これは、当時インターネット上のホームページを見るために使われていたソフト(インターネットエクスプローラなどのブラウザ)の性能が低かったことにも原 因があり、さらに他の要因が複雑に絡まりあい、古いホームページの中身は検索エンジンのロボットなどには非常に理解しにくいつくりになっていました。

ブログはこのような無駄な部分を分けたり、排除してくれたりしているので、検索エンジンにとって理解しやすいつくりになっています。

ping送信により、更新を自動的にポータルサイトへと伝えることができる

ポータルサイトやブログランキング(要登録)にping送信することで、ブログを更新したことを能動的に伝えることができます。

例えば、ブログサイトのトップページに最新の記事として最新更新記事がリアルタイム表示されていますが、そのような情報はping送信によって行われてい ます。pingの送信先はポータルサイトやブログランキング側でping送信先アドレスとして指定しています。また、ブログ側のほうでも、ping送信先 のアドレス記入欄を設けてあります。

【pingとは?】

ping (Packet INternet Groper) は、元々は相手側のコンピュータの接続状況を確認するための技術だったのですが、最近のブログなどではこのpingを利用して、サイトを更新したことを相 手に伝える手段としています。これによってping送信を受けた相手側のサイトは、送信元がWebページを更新したと判断し、更新情報(RSS)を読み取 りに向かいます。

【RSSとは?】

RSS(RDF Site Summary)は、Webサイトの見出しや要約を公開するために使われるフォーマットです。

一般的にはRSSリーダーを使い、RSSリーダーに登録したWebサイトのRSS情報をRSSリーダーが収集することで、利用者は簡単に登録したWebサイトが新しく更新されているかどうかを知ることが出来ます。

コメントとトラックバックを使うことにより、リンクを多く張ることができる

検索エンジンはリンク数とそのリンク先との関連性を重要視する傾向があります。

ブログは関連性のある記事とトラックバックしたり、コメントにURLを書き込むなど、外部ブログとさまざまな形でリンクを張ることができます。

また、ブログを更新するとそのブログ内で更新記事の一覧やアーカイブの作成などの関連するリンクを張り巡らしてくれます。そのため、ブログはリンク数が非常に多くなります。

検索エンジンについての知識  検索エンジンの種類

ディレクトリ型

カテゴリに分かれたメニューをクリックしていくことで、目的のホームページを探すタイプ。

Yahoo!カテゴリなどが代表的なディレクトリ型の検索です。

※ディレクトリ登録は有料と無料があります。Yahoo!などの大手のカテゴリ登録の多くは有料です。

ロボット型

キーワードを入力し、そのキーワードと関連性の高いホームページから、目標とするホームページを探すタイプ。

Yahoo!やGoogleでキーワードを入力する検索形式が代表的なロボット型の検索エンジンです。

ハイブリッド型

ディレクトリ型とロボット型を併用したタイプ。ディレクトリ登録された情報とロボットが収集した情報を掛け合わせて順位付けしているので、ハイブリッド型といえます。

大手の検索エンジンの多くはこの形態をとっています。

検索は色々なポータルサイトで行えますが、それぞれ見栄えが違っていても使っているデータは別の検索サイトから提供を受けている場合があります。

例えばGoogleのデータと独自のポータルサイトのカテゴリ登録を掛け合わせて独自の検索結果を表示するといった具合です。

最もよく利用されている検索エンジン

Yahoo! JAPAN(最も人数が多い)、Google(中級者以上が多い)

検索エンジンではYahoo! JAPAN(Yahoo!)とGoogle(グーグル)が圧倒的に利用されています。

ブログが持っているSEO効果の特徴が、主に威力を発揮するのはGoogleの検索に対してです。Yahoo!はディレクトリ型と併用したハイブリッド検索であるため、Googleに比べてブログが検索にヒットしにくい構造になっています。

Yahoo!で検索上位にランキングされるには有料のカテゴリ登録を利用すると良いでしょう。※GoogleではWebサイトの登録ができますので、必ず登録しておきましょう(Google 登録で検索すると登録ページが表記されます)。

検索エンジン利用者の70%は、検索結果の2ページ目(上位20位)までしか見ていない。

検索エンジンは時として100万件以上の条件に合ったWebサイトを検索結果として提示します。しかし、一度に表示できるページの情報は10件までですので、100万件検索結果があっても、実際に見るのは上位20位くらいまでという調査結果が出ています。

では、あなたがもし家具屋さんだったとして、ちょっとしたホームページを持ったとしましょう。家具でYahoo!で検索をかけると約7970万件の検索結果がヒットします。途方もない数で、この中の上位20位にはいるというのは想像もつかないのではないでしょうか。

ですが、大丈夫です。あなたのお店が全国チェーンでもない限り家具で上位20位に入る必要はないでしょう。例えば、家具とあなたのお店のある地名を掛け合わせたりすると、検索結果は一度に減るはずです。

通販で買わない限り、家具は近くで買うものではないでしょうか?

こういったようにキーワードで上位20位という条件は、やり方によっては実現可能な目標です。

他にも、検索結果で上位、もしくは上位のページに表示する方法はあります。

~コラム~

検索テクニック。キーワード入力の方法。

キーワード検索では入力したキーワードと関連性の高いWebサイトを表示してくれるのですが、入力するキーワードによっては検索結果が100万件検出されるといった場合があります。

その100万件のWebサイトはそのキーワードとの内容の一致率や、Webサイトそのものの重要度で評価の高い順に並び替えられるのですが、必ずしも自分の求めるサイトが最初に表示されるわけではなく、多くの場合検索を何度も繰り返すといった具合になります。

では、求めるサイトに上手くたどり着くには、どのようにキーワードを選択すると良いのでしょうか?

例えば、個人の絵画作品を販売目的ではなく趣味で掲載しているといった人のホームページを探すとします。

まずは、キーワードで「絵画」と入力してみます。

多くの場合、1つのキーワードでは通販サイトや絵画教室といって営利目的サイトが表示されます。

そこで、キーワードを絞ります。ここでは個人の作品を探すという意味で「絵画 個人」と、絵画と個人の間に空白を入れて検索します。

キーワード同士の間に空白を入れると、Aと言うキーワードとBというキーワードの両方を含む場合といった条件の検索が可能になります。AND条件といわれる検索の仕方で、一般でもよく利用されます。

しかし、「絵画 個人」ではまだまだ欲しいページにはたどり着けず、販売目的サイトが出てきてしまいます。このようなときに使える検索方法がマイナス条件です。

マイナス条件とは、「次のキーワードを含むものは除外する」ということで、今回の場合は

「絵画 個人 −販売」 といった具合に除外したいキーワードの前に「-」を入力します。すると、販売というキーワードが入っているサイトを検索結果から除外してくれます。

検索結果として表示されるWebサイトから販売目的サイトが消えたはずです。

確実に目標にたどり着くということはないのですが、検索にはこのような小技がいくつかあります。こういった検索方法は検索エンジンにある【検索オプション】を利用することでも細かい設定が可能です。

また、検索をする検索エンジンを使い分けることで、求めているページにたどり着きやすくするという方法があります。

例えば、Googleはロボット型の検索エンジンで、ブログサイトがかなりの数ヒットします。これに対してgooの検索エンジンではブログサイトを検索結果から除外する機能があります。

他にもさまざまな情報を検索するのに特化した検索エンジンは無数にありますので、色々使い分けるのも1つの方法かもしれません。

スポンサーサイトとリスティング広告

GoogleやYahoo!には検索結果の表示ページに背景に色がついた スポンサーサイト の欄があるのはご存知でしょうか?

このスポンサーサイトの欄は一般的な検索の順位付けとは関係なくサイトの情報を表示しています。

ここへの表示は有料なので、基本的に広告目的のサイトが表示を希望するため、リスティング広告(他にもキーワード連動型広告、PPC広告、CPC広告な ど)と呼ばれています。代表的なものとしては、Yahoo!のOvertureやGoogleのAdwordsがあります。

リスティング広告はクリック課金型といわれる方法で、広告料を決定しています。クリック課金はアフィリエイトやバナー広告でも見られる手法ですが、 クリックされることではじめて広告料が発生する成果報酬型の課金制度です。

つまり、クリックされなければ広告料も発生しないというわけですが、クリックしてサイトに訪問してもらいたいわけなので、広告料が発生しないということはそこからの訪問者がゼロということになります。

では、クリックされることで請求される金額は具体的にいくらでしょうか?

例えばOvertureの場合は 最低9円からの入札 によって決定します。つまり、こちらで設定した価格が請求されます。

しかし、スポンサーサイトのスペースでも通常の検索と同様に1ページの掲載スペースには限りがあります。つまり、ここでも掲載順位によっては1ページ目に表示されないのですが、それらは入札の価格によって決定されます。

入札価格の高いWebサイトに対して、上位に表示される優先権が与えられるわけです。

※(Adwordsの場合、入札価格以外の条件も影響します)

例えば、Yahoo!検索でリスティング広告を運営している Overtureはこの入札価格をチェックするツールを提供していたりしますので、簡単に価格を調べることができます。 Yahoo!検索の検索結果の「スポンサー掲載について」から、Overtureの情報を得ることができます。

ちなみに、GoogleではGoogle AdWordsがこのスポンサーサイトを運営しています。

図.スポンサーサイト広告例

リスティングの良いところはお金を払えば狙ったキーワードで上位に表示させることができるという点です。

また、スポンサー広告欄は一般の検索順位よりもページの上部に表示されるので、結果として一般のページはそれだけ下に押しやられることになります。スポンサー広告欄に掲載される広告の数はそのキーワードによって異なります。

リスティングと同様に、SEOもまたあるキーワードに対して上位での検索結果を狙う技術ですが、上位の掲載を保障するものではありません。SEOを外部に お願いする場合は、このリスティング広告と比較してどちらの方が効果が高いかを検討してからにしたほうがよいでしょう。

SEO、SEMといった検索エンジンに対するマーケティングが効果的な理由

「あなたは普段、どのような情報源からWebサイトをお知りになっていますか」

「あなたは普段、どのような情報源からWebサイトをお知りになっていますか」という質問に対して、インターネット関連情報を通じてWebサイト(ホームページ)を知るという形が一般化しています。

中でも、「キーワード検索」が一位を占めていることに注目してください。

これは、インターネットの普及と、検索エンジンの能力の向上の結果だと思うのですが、検索エンジンは今ではホームページを探す上で必須ツールとなっています。

また、先に取り上げた情報を更に検討すると、検索結果で1~2ページまでに表示されないページは実質、検索エンジンからのアクセスを見込めないという現実があります。

検索エンジン以外からはアクセスが見込めないというのは極論で、正しくはありません。しかし現在、検索エンジンの結果をユーザー側が重要視する傾向があるのは事実で、それは検索に上位表示されたホームページにさまざまな効果をもたらしています。

キーワード検索のメリット

キーワード検索は、ホームページとそのキーワードからベストと思われるマッチングを割り出すものです。ビッグキーワードといわれるものや、企業名、ブラン ド名などの直接検索では、確かに大企業の存在が目立ちます。しかし、キーワードによっては中小企業、もしくは個人でも上位表示されることが可能です。

つまり、検索エンジン(特にロボット型)はキーワードとのマッチングを機械的に行うので、キーワードに対する重要度の判断という点において、全ての情報発信者は平等に順位付けされます。

また、特定のキーワードからアクセスにつながった場合は以下のような効果が見込めます。

クリック率、購買率が高くなる。

特定のキーワードからのアクセスにつながる場合、アクセスしたユーザーは既にそのキーワードに対して興味を持った状態でアクセスしてきます。つまり、そのキーワードが個人(自社)の商品やサービスである場合、既にそのユーザーは見込み客ということになります。

そのため、クリックや購買につながる率が通常のアクセスより高くなります。

ターゲットを絞り込んだ検索が可能になる。(「西新宿 焼き鳥」など)

一番容易に考えられるのが、「地域+商品」といったように地域を絞り込んでの検索です。

例えば、「ホテル」という検索ワードでは地域の小さなホテルは上位表示は見込めないでしょう。しかし、北海道のホテルが、九州宿泊しようとしているユーザーの検索で上位表示される必要はないはずです。

同様のことはユーザー側も考えており、「北海道 ホテル」「ホテル 北海道」といった検索キーワードを選ぶことは比較的一般化してきています。

言い換えれば、個人(自社)側から見ても、ユーザーから見ても、お互いにターゲットを絞り込むことが容易に行えます。

つまり、以前のような全国レベルの知名度=ブランド=集客といったことが、キーワード検索上ではそれほど効果を持たない場合が多々あります。

会社や商品のブランドを打ち立てることができる

キーワード検索で上位表示されるということは、検索エンジン機械的に、「このホームページにはキーワードに対する重要な情報が数多く盛り込まれています。」と判断したことになります。

キーワード検索が重要視されると同時に、キーワード検索は一種の信頼性を確保しはじめています。ある基準から純粋に判断された順位付けは一種の客観性をもった判断を提示していると思われているからです。

つまり、検索エンジンで上位表示されるということは、一種のお墨付きをもらうような効果があります。

例えば、「ホームページ 作成」というキーワードで上位表示されると、あたかもそこは素晴らしいホームページを作成しそうなイメージを付加価値として身につけることができます。

つまり、検索で上位に表示されるということは、1つのブランドとしてのステータスを確保するのと同様の効果が期待できます。

また、名刺やE-mailの署名などに検索で上位に掲載されるキーワードを「○○で検索で1位」と掲載することで、アピールすることも出来ます。

同業者やマスコミに発見されやすい

(二次的に広告宣伝につながる)

検索エンジンの上位に表示されると、検索からのアクセスが期待できます。

今までは見込み客からのアクセスについてばかり書いてきましたが、特定のキーワードで検索する動機というのは商品購入ばかりではありません。

例えば、情報を得ようとする側以外にも、情報を提供しようとする側も検索によってその情報を得ようとします。

つまり、検索で容易に表示されることが、一種プレスリリース的な意味合いを持つ場合があるということです。それは、検索によって発見が容易になる他に、先 にも述べたように特定の検索キーワードで上位に表示されるということは、そのキーワードに対して有力な情報を持っていることの裏付けとして評価される傾向 があるからです。

また同様に、B to Bといったビジネス展開にも効果的な場合があります。

キーワード検索での成功事例

「北海道 カニ」の例

地域の特産物と掛け合わせたキーワードで上位に掲載されることで、成功を収めた例があります。「北海道 カニ」のキーワードで上位に掲載された水産会社は 会社規模的には小さな会社ですが、キーワード検索を利用したプロモーションで売り上げを伸ばしました。

また、二次的な効果としてキーワード検索を通して雑誌の取材を受けるようになり、首都圏など地元とは離れた地域の雑誌に掲載されたり、ラジオ番組で取り上げられるといったケースが出てきました。

ネットトラブルに強い行政書士さんの例

キーワード検索は地域を絞り込む以外に、分野を絞り込むことも出来ます。

この行政書士さんの場合、ホームページ内にネットトラブルのQ&Aを設けることで、ネットトラブルに関する検索キーワードからQ&Aへとアクセスを呼び込み、Q&Aで解決できない人が相談してくるといった集客の流れを作り出しました。

ネットトラブル以外にも個人(自社)の強みがキーワードとして検索され、集客につながるという場合があります。

SEO/SEMの全体像

検索エンジンがインターネットでホームページを探すときに、重要な位置を占めていることは先に書きました。また、検索エンジンで上位に表示されるための対策(SEO)を行いマーケティングにつなげよう(SEM)という動きがあることも先に書きました。

では、これらSEOやSEMとは具体的にはどのようなことを行うのでしょうか?

基本的には以下のような流れになります。

1、 自社商品・自社のウリとなるキーワードを考える

2、 キーワードを選定する

3、 検索エンジンで上位に表示される

4、 クリックしてもらうような宣伝文句(要約文)を書く

5、 検索エンジンからアクセスしてもらう

 

1、 自社商品・自社のウリとなるキーワードを考える

自社商品などから、自社のウリとなるキーワード(具体的な言葉)を考えます。この段階では深く考えずにとにかく色々考えてみましょう。また、既に自社ホー ムページにどのようなキーワードでアクセスが来ているかがわかるようでしたら、そういったデータも参考にしてみましょう。

2、 キーワードを選定する

いろいろとあげたキーワードから、具体的にアクセスにつながる(実際に検索されている)キーワードを選定しましょう。

選定時のポイントとしては、以下のようなものがあります。

・キーワードに対するアクセス数が多い。(Overtureのキーワードアドバイスツールによってキーワードごとの月間アクセス数の概算を知ることができます)

・キーワードに対する競合が少ない。(キーワードで検索したときの検索結果数を見ることでわかります)

また、ユーザーがそのキーワードを検索する場合の目的もできれば考慮しましょう。

3、 検索エンジンで上位に表示される

選定したキーワードでホームページが上位に表示されるように手を打ちます。方法は大きく2つに分かれます。リスティング広告とSEO対策です。具体的なSEO対策の内容は後で説明します。

4、 クリックしてもらうような宣伝文句(要約文)を書く

検索結果で上位に表示はされたけれど、思うようにアクセスがアップしないということもありえます。主な原因として考えられるのは、検索結果に表示されるタイトルと要約文の内容が、ユーザーが検索で求めている内容とマッチしない場合です。

5、 検索エンジンからアクセスしてもらう

適切なキーワードで、検索結果で上位に表示され、タイトルと要約文がユーザーの目的にあっていた場合、そのユーザーは有力な見込み客となりえます。

方法としてのSEM

【Overture/Adwordsによるリスティング広告】

検索エンジンの紹介で触れたように検索エンジンのスポンサー広告欄を利用する方法です。

クリック課金型であるため、費用対効果を計算しやすく、短期間で効果が出せる特徴があります。また、設定金額しだいで確実に上位表示できることも魅力です。

【ポータルサイト ディレクトリ対策】

ディレクトリ型の検索エンジンへの有料審査による登録です。

有力なポータルサイトへのカテゴリ登録は今ではほとんど有料審査となっています。

例えばYhaoo!JAPANのカテゴリに登録された場合のメリットは以下のようなものがあります。

・Yahoo!を利用するユーザーがカテゴリを利用した場合、利用者の目に触れる可能性があります。

・Yahoo!登録サイトの検索結果として表示されます。

・Yahoo!からのリンクが形成されることで、登録サイトの評価が高まり、SEO効果が期待できる。

・Yahoo!商品検索に商品を登録できるようになる。

【SEO対策】

以降、具体的な項目に分けて説明したいと思います。

SEO対策の基礎

SEOは時間がかかる!

SEOはウェブサイトを構成するHTMLを整理し、その整理されたウェブサイトからロボットがホームページの内容を収集し、その収集した情報を処理することで初めて検索結果のデータベースに反映します。

【SEO対策】→(最大1~2ヶ月?)→【ロボットによるホームページの収集】→(最大1~2ヶ月?)→【データベースに反映】

SEO対策が検索結果に反映されるまでの時間は、そのホームページの更新頻度や検索エンジンによって異なります。一般的に更新頻度の高い活発なホームページは、データベースへの結果の反映が早くなります。

そういったデータベースへの反映が早いホームページの場合、一週間以内にSEO対策の結果が出てくるということもあります。SEOは結果が反映されるまでの時間が状況によって異なります。

SEOで重要視されること

【1、テキストマッチング】

キーワード検索にかけられたキーワードと、そのホームページの内容がマッチしているかを判断し重要視します。

ホームページ内のHTMLはその内容にタグをつけることで内容に優先順位をつけることができます。例えば、タイトル(titleタグ)、見出し1(h1タ グ)、見出し2(h2タグ)、段落(pタグ)といった具合です。これらの優先順位とキーワードの関係も検索結果に反映します。

簡単にですが、「ビジネスプラン」というキーワードに対する重要度を判断しようとした場合で例を挙げてみます。

【例1】

タイトル「ビジネスプラン発想方法」

本文の見出し1「新しいアイディアで起業してみませんか」

【例2】

タイトル「新しいアイディアで起業してみませんか」

本文の見出し1「ビジネスプラン発想方法」

【例1】と【例2】の場合、タイトルにビジネスプランと入っている方がビジネスプランに対する重要度が高いと判断される傾向があります。

図 テキストマッチングの例

また、HTMLの早い段階で表記されている文字列の内容を重要視したり、リンクタグのついている文字列の内容と、リンク先の文字列の内容が一致しているかといったことでも内容の重要度が評価されているようです。

こういった評価方法は一般には公開されていないので、ここであげているのはあくまで客観的に見た憶測に過ぎないのですが、それなりの効果が実証されています。

【2、リンクポピュラリティ】

ポピュラー。つまり、そのホームページが一般にどのくらいよく知られているか、人気のあるのかといったことをリンクから判断します。

リンクは「AからBへリンクする」「BからAへリンクする」といったように一方通行のものです。例えば、「AからBへリンクする」の場合、AはBの情報を 求めていると考えることができます。同時に、「CからBへリンクする」という風に、Bが2ヶ所からリンクされて情報が求められたとします。すると、Bとい う情報はAやCよりも有力な情報源である可能性が高くなるわけです。

リンクポピュラリティとは、この他から情報を求められている数とその内容によってそのページの人気や重要性を判断します。

GoogleではこのリンクポピュラリティをPageRankとして評価してくれるツールを公開しています。

Googleツールバーといわれるブラウザに取り付けるツールバーで、Googleのサイトからダウンロードすることができます。そのツールバーを利用 すると、そのときに参照しているページのPageRankを10段階で評価してくれます。

(※ちなみにこのPageRankは、Webサイトの重要度を判断する1つの目安でしかありません。PageRankが高いページの方が確実に順位が高いといったことはありません。)

他にも、Alexa( http://www.alexa.com/ ※英語ページ)では世界中のホームページの内容をランキングしたりしてくれます。

インターネット上にはそのようなSEOに関する様々なツールがあります。

【3、サイトテーマ】

一般的に、ホームページは何かの目的を持って作られています。

例えば、一般的な会社Aを想定してみます。A社のホームページは会社案内や事業内容といったページで構成されていた場合、A社のホームページの目的はA社の紹介(PR)が目的ということになります。

更に細かく分けると、A社の会社案内のページではA社の会社概要や会社理念などが載っているとします。また事業内容では、A社の扱うサービスの内容が紹介 されているとします。その場合、会社案内のページはA社の紹介が目的で、事情内容のページはサービスのアピールが目的ということになります。

このように、情報が整理されているページはページごとに目的を持っています。そして、そういったページの集まりであるサイトはまた、そのページが集まることで1つの目的を達成したいと考え、構成されています。

A社の場合は、個々のページでA社のサービス紹介、会社概要の紹介といった目的を持っており、そのページが集まることで、A社をアピールしていこうというホームページの目的を持っています。このホームページの目的がサイトテーマです。

検索エンジンのロボットには、このサイトテーマを理解するプログラムを持っています。例えば、各ページ内に出没するキーワードの数などを計算し、そのペー ジで重要視されているテーマを算出します。各ページごとのテーマが算出されると、今度はそれがWebサイトの中でどのような構成になっているかを割り出 し、Webサイトのテーマを算出します。

この算出されたサイトテーマと一致率の高いキーワードほど検索エンジンでのキーワード検索で検出される可能性が高くなります。

つまり、ある特定のキーワードに対する検索順位を高くしたい場合、そのキーワードを増やすだけではなく、それがサイトテーマとして上手く現れているかが重要になります。

禁止規定(検索エンジンスパム)について

検索エンジンスパムとは?

キーワードやHTMLタグ、CSSを悪用すると、HTMLの文章と実際のWebページの見た目を大きく異なるものにすることが出来ます。

そのため、ユーザーに見せるWebページと検索エンジンに見せるWebページを使い分けるといった行為が横行しました。

その結果、適切な情報を提供していないサイトにもかかわらず、検索結果では上位に表示されるサイトが出てきたため、検索エンジンではこれらの違反でも重大なものに関してはペナルティーを科すようになりました。これが、検索エンジンスパムといわれるものです。

分かりやすいものでは、多くの文字列を画面の外に飛ばし、ユーザーからは見えなくしたり、背景と同じ文字色でユーザーからは見えない文字を仕込んだり、文字のサイズを極端に小さくして、ユーザーからは見えなくしてしまうなどといった行為があります。

他にもスクリプトを利用して、ユーザーとロボットが見るページを違うものにしたり、一部のサイトが集まって、数多くのリンクを張り合うリンクファームと呼ばれるものなど、スパムは結構な数存在します。

スパム行為を行い、それが発覚すると、一般的には検索順位がひどく低下します。これが重度のスパム行為であった場合は、インデックスから削除されたり、ドメインを登録から除外されるといったことがおこります。

ちなみに、通常のWebサイト作りをしている限りは、この検索エンジンスパムに引っかかるといったことはまず無いと思ってよいと思います。